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印欧祖語

*ḱwṓ

dog

英語での現れ方

「犬」を表した語に遡り、英語には三つの系統が並んで残っている。ゲルマン語系の本来語が hound で、古くは犬一般を指したが、のちに猟犬へ意味が狭まった。獲物を前に置いて猟犬の種類を作るのが定型で、foxhound・staghound・deerhound・otterhound・elkhound・wolfhound・coonhound、追跡の仕方を示す bloodhound、恐ろしい犬をいう hellhound が並ぶ。ラテン語から来た can は学術寄りで、canine(犬の・犬歯)・canid(イヌ科の動物)。ギリシャ語から来た cyn は、犬のように恥じらいなく生きた哲学者の呼び名だった cynic に残り、そこから cynical・cynically・cynicism(皮肉・冷笑)が生まれた。cynosure は「犬の尾」と呼ばれた星座から「人目を引くもの」へ転じた語。

注意したいのは、犬に見えない語が混ざること。canary は大きな犬がいたとされる島の名から付いたとされ、鳥の名でありながらこの一族に連なる。sleuth はもと追跡犬を指す語の一部で、いまは「探偵」、動詞形が sleuthing。dachshund・keeshond・corgi はドイツ語・オランダ語・ウェールズ語の犬の名がそのまま入ったもので、綴りからは英語の hound と結びつかない。cyn を見たら「犬のように」という比喩が働いていると読むのがコツである。