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古代ギリシア語

ἀν-

〜でない・〜なしの

not or without

後の語を否定する

英語での現れ方

ギリシャ語で「〜がない」を表した接頭辞で、母音や h の前では an の形をとる。日本語の「無〜・非〜」にあたり、英語では医学と化学の術語に集中している。anemia は「血がない→貧血」、anoxia は「酸素がない→無酸素症」、anesthetic は「感覚がない→麻酔薬」、analgesia・analgesic は「痛みがない→無痛・鎮痛剤」、anhydride は「水がない→無水物」、anhedonia は「快を感じない→快感消失」、anencephaly は「脳がない→無脳症」。anuran(無尾の→カエル類)、anisotropic(等方的でない→異方性の)のように生物学・物理学にも広がる。

綴りで注意したいのが英米差で、ギリシャ語の ai をイギリス式は anae と残し、アメリカ式は e に縮める。anaemia と anemia、anaemic と anemic、anaesthetic と anesthetic はどれも同じ語。もう一つの落とし穴が anecdot で、これは「否定+外へ+与えられた」=「まだ世に出されていない話」が原義。公刊されなかった内輪の話、から「逸話」になったもので、anecdotal は「逸話にすぎない=体系的な証拠ではない」という含みで使われる。anaerobic は「空気なしで生きる」で、否定の働きが今も生きている好例。