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印欧祖語

*seyb-

滴る

to drip

英語での現れ方

「したたる・脂」を表した語根で、英語には日常語と学術語がきれいに分かれて残っている。日常の側が soap で、soapy(石鹸のような・調子のよい)、soapiness、soapsuds(石鹸の泡)、soapstone(石鹸石=滑石)、soapbox(石鹸箱→街頭演説の台)と合成語を作り、泡立つ性質から名づけられた soapberry・soapweed・soapwort・soapfish のような動植物名もある。学術の側ではラテン語形が入り、sapon が化学用語を担って saponin(サポニン)、saponification(けん化)、unsaponified となる。石鹸が脂とアルカリから作られることを思えば、脂の語根から化学用語が出るのは自然な流れである。

医学では seb の形が使われ、sebum(皮脂)、sebaceous(皮脂の)、seborrhea(脂漏)と、体から出る脂を指す。ゲルマン語系に残ったのが seep で、seep(じわじわ染み出る)、seeping、seepage(浸出・漏れ)となり、「したたる」という原義をいちばん素直に保っている。コツは、石鹸・脂・にじみを一続きの像で捉えることで、綴りの離れた soap と sebum と seep が同じ根から出ていると納得できる。注意点は、seb 系と sapon 系は日常会話にはほとんど出ず、化粧品や薬の説明で出会う語だということである。