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印欧祖語

*h₁en

英語での現れ方

「中に」を表した印欧祖語で、英語には三つの経路で入っている。本来語では inner(内側の)・innermost・inmost が残る。ラテン語 intrā(内部に)からは intra で、intranet(組織内ネットワーク)、intramural(構内の)、intrastate(州内の)、intravenous(静脈内の)、intracellular(細胞内の)、intracranial(頭蓋内の)のように、学術語で「〜の内部の」を作る接頭辞になった。intrō(中へ)からは intro で、introversion(内向)や introit、会話での intro(導入部)。

古フランス語 entrer を経た enter は「中に入る」の日常語で、entrance(入口・登場)、entrant(参加者)、entree(入場・前菜)が続く。ここで最大の注意点になるのが、まったく別の系統に見える医学語の entero で、これはギリシャ語 ἔντερον(体の内側のもの→腸)から来ており、enterovirus・enterotoxin・gastroenterology は「腸」の意味である。dysentery(腸の不調→赤痢)、mesentery(腸間膜)も同じ。enter- で始まる語は、日常語なら「入る」、医学語なら「腸」と読み分けるとよい。