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西ゲルマン語

*ana-

上に・中へ

on, upon, into

「〜の上に・〜の中へ」の意味の動詞や形容詞を作る

英語での現れ方

西ゲルマン祖語の接頭辞で「…の上に・…へ向かって」を表す。古英語では on- の形をとり、そこから多くは弱まって a- になった。「外側に向かって」を表す語からは about が生まれ、turnabout・roundabout・knockabout・layabout・roustabout・whereabouts・thereabouts・hereabouts と合成語が広がっている。「向かい合って」から again(向かって→再び)、「火を点ける」から alight も同じ流れ。

ac の acknowledge は「…に対して知る→認める」で、acknowledged・acknowledgement・acknowledgment・unacknowledged が続く。an の anneal(熱を加えて焼きなます)や anele、そして「上に打つ台=金床」を表す anvil のように、接頭辞が語の一部に溶け込んで見えなくなった語も多い。

この接頭辞のもっとも意外な現れ方が un である。古英語で「鍵を…する」「…を元に戻す」を表した動詞が、否定の un- と形が近かったために unlock・undo・undone・undoing・undoer として定着した。つまり unlock の un- は「…でない」ではなく「動作を逆向きにする」を担う別系統で、否定の un- とは出自が違うとされる。a- で始まる古い語に出会ったら、まず「上に・向かって」の意味を疑ってみるとよい。