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印欧祖語

*neḱ-

滅びる・失われる

to perish, to be destroyed

英語での現れ方

ギリシャ語 νεκρός とラテン語 necō(殺す)を経由した nec は、「死」や「死体」に関わる語に現れる。necrosis(組織の壊死)、necropsy(死体の検査)、necrology(死者の記録)、necropolis(死者の町→墓地)のように、死そのものや死者を表す語彙の土台になる。necromancer・necromancy・necromania・necrophagia・necrophilia も、死者や死体に関係する意味を nec から読み取れる。

ラテン語 noceō(害を与える)からは nocnox が生じ、innocent・innocence・innocuous は「害のない」、noxious・obnoxious は「害を与える・不快な」という方向に意味が分かれた。nociceptive は痛みを感じ取ることに関係する語で、同じ語根の「害」や「苦痛」とつながる。フランス語を経た nois / nuis は noise・noisy・nuisance などに現れ、もとの「不快なもの」という意味から、音や騒音を表す語へ広がったとされる。

ギリシャ語 νέκταρ に由来する nect は nectar・nectarine に見られる。この枝は死を表す nec と綴りが近いが、語源上のつながりには不確かな点もあるとされる。全体としては、死・消失から、害、不快さ、苦痛へ意味が展開した語族として覚えるとよい。