印欧祖語
*bʰréh₂tēr
英語での現れ方
- brother / brethrenbrother・brotherly・brotherhood・stepbrother・brethren
- fratfrat・fraternal・fraternally・fraternity・fraternize・fraternization・fratricide
- friarfriar・friary
- palpal・pally
印欧語族の親族語のなかでも特に古くから形が保たれている語で、英語には系統の違う姿が並んでいる。ゲルマン語系の本来語が brother で、brotherly(兄弟らしい)、brotherhood(兄弟であること・同胞団)、stepbrother(義理の兄弟)を作る。古い複数形の brethren は今では血縁より宗教団体や結社の「同胞」を指す語として残り、日常の複数は brothers を使う。ラテン語 frāter から来た frat は「血縁を超えた仲間」の色が濃く、fraternal(兄弟の・友愛の)、fraternity(友愛会・学生の社交団体)、fraternize(親しく交わる)、fraternization、そして fratricide(同族殺し)まで幅がある。くだけた frat は大学の男子社交クラブを指す。
フランス語を通った friar は修道会の修道士で、互いを「兄弟」と呼び合ったことに由来し、friary(修道院)が派生した。ギリシャ語形から来た phratry は氏族の下位集団を指す人類学の術語である。pal(仲間)・pally(親しい)はロマ語で「兄弟」を意味した語から入ったとされ、遠く離れた経路をたどりながら同じ語根に戻る例になっている。コツは、blood の兄弟なら brother、結社や友愛なら frat、宗教なら friar と場面で系統が分かれると押さえることである。