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印欧祖語

*méh₂tēr

mother

英語での現れ方

ゲルマン系の本来語 mother は、そのまま家族語彙の中心になる。grandmother・godmother・stepmother と続柄を作り、motherhood(母であること)、motherly(母親らしい)、motherless、motherland(母なる国)、植物名の motherwort。ラテン語 māter から入った語は硬い語彙で、maternal(母方の・母性の)・maternity(母性・産科)・maternally、そして学術の場で使う mater。

「母=生み出すもと」という発想から意味が大きく広がるのがこの語根の面白さ。matrix はもともと母胎を指し、そこから「物を生み出す型・鋳型」、さらに数学の行列になった。matron(既婚の年配女性)・matronly、matrimony(母になること→結婚)・matrimonial、matrilineal(母系の)、matriarch・matriarchy・matriarchal(女家長・母権制)。matriculate は名簿に載せて入学させること。木の「幹=物を作るもと」を指した語からは matter(材料→物質・事柄)、antimatter(反物質)、materialism(唯物論・物質主義)、materiel(軍需資材)が出た。ギリシャ語側は metropolis(母なる都市→大都市)・metropolitan、その短縮が metro。