印欧祖語
*krewh₂-
生肉・流れた血
raw flesh; shed blood
英語での現れ方
- rawraw・rawhide・rawness
- crucruel・cruelty・cruelly・crudity・recrudescence
- creat / creascreatine・creatin・phosphocreatine・pancreas・pancreatitis
- creo / crescreosote・cresol
「火を通していない肉、血なまぐさいもの」という生々しい像が出発点。ゲルマン語系の本来語 raw はその意味を素直に保ち、rawhide(なめしていない皮)、rawness(生であること・未熟さ)と広がる。ラテン語 crūdus(生の)を経た cru は、crudity(生硬さ・粗さ)のように「加工されていない」の側と、cruel・cruelty(血を厭わない→残酷な)のように「血なまぐさい」の側に分かれた。医学の recrudescence は「再び生の状態に戻る→(病気の)再燃」で、治りかけた傷口がまた開く像。
ギリシャ語 κρέας(肉)から来たのが creat / creas で、こちらは学術語に集中する。creatine(creatin とも綴る)と phosphocreatine は筋肉=肉に多く含まれる物質、pancreas は pan(すべて)+ 肉 で「全部が肉のような臓器→膵臓」、pancreatitis はその炎症。木材乾留から得られる creosote は「肉を保つもの→防腐剤」の意で名付けられ、近縁の cresol も同じ系列。cru を見たら「生・血」、creat を見たら「肉」と切り分けると、日常語と専門語が混ざっても迷わない。