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印欧祖語

*stignéh₂-

英語での現れ方

印欧祖語で「尖る・刺す」を表した語根の、鼻音を挟んだ現在形から出たとされる系統で、ゲルマン語を通って英語の stick になった。もとの「刺す」は now の英語では表面に出にくく、代わりに「刺すための細い棒」と「刺さって離れない=粘着する」の二つに分かれて残っている。前者は candlestick・matchstick・breadstick・yardstick のように複合語の後半で「棒状のもの」を作り、stickpin(飾りピン)、stickball のように単独でも道具の名を作る。後者は sticky・stickiness・sticker・nonstick で、接着や粘りの語彙をまとめて引き受けている。

注意したいのは、この語根から来た語は綴りが短く、他の語と紛れやすい点である。動詞の活用は不規則で stuck となり、get stuck は「はまり込んで動けない」、come unstuck は「外れる・ほころびる」の意味になる。dipstick や joystick のように、比較的新しい機械の部品名にもこの型が使われ続けており、細長い操作棒を見たら stick が付くと考えてよい。sticktight のように「くっついて離れない」を語そのもので言い表した語もあり、粘着の側の意味が生きていることが分かる。