EnglishBattle

← 語根・接頭辞・接尾辞の一覧

印欧祖語

*pel-#-1

皮・毛皮・布

a skin or hide; cloth

英語での現れ方

「獣の皮・それを加工した布」を指した古い語根で、英語ではまず felt(フェルト)に残っている。毛を圧縮して作るこの布は、felted(フェルト状にした)、underfelt(下敷きのフェルト)のように素材の語を作る。ここから枝分かれしたのが filt で、中世ラテン語でフェルトを指した語が「漉すための布」として使われたため、filter(濾過する・フィルター)、filtration(濾過)、filtrate(濾液)という理科の語彙になった。フェルトと filter が同じ語だと知ると、両者の綴りの近さが偶然でないことが分かる。

ラテン語系では「覆う布」の側が伸び、pall は pallium(古代のマント)、pallet(藁布団・荷役台)、そして palliate・palliative へつながる。palliative care の palliative は「(症状を)覆い隠す→根治ではなく和らげる」という成り立ちで、原義を知ると訳語が腑に落ちる。pel の形は皮そのものを指し、pelt(毛皮)、pellicle(薄い膜)、皮膚の炎症を言う erysipelas がここに入る。布でくるんで音を抑える muffle・muffled・muffler も同じ一族とされ、覆って姿を隠す camouflage・camouflaged・camo にもつながるとされる。コツは「かぶせて覆う」という一枚の像で、濾過・鎮静・防音・偽装という離れた意味をまとめることである。