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印欧祖語

*kelh₂-

打つ・砕く

to strike, to break

英語での現れ方

ギリシャ語 κλάω(折る・砕く)から出た clast / clas は、砕けたものを指す学術語に集中している。地質学の clast(砕屑粒)・clastic(砕屑性の)、医学の osteoclast(骨を溶かす細胞)、鉱物学の plagioclase・orthoclase(割れ方=劈開の向きで名づけた長石)。同じ動詞から出た「折れた枝」の系統が clad で、系統樹の枝分かれを扱う clade・cladistics になる。ラテン語側では calamity が「打ち砕かれた状態→災難」、calamitous がその形容詞。coup(一撃)もギリシャ語の「殴打」がラテン語・フランス語を通って入った語。

意外なのが cler / clerg で、こちらはギリシャ語 κλῆρος(くじ・割り当て)に由来する。くじを引くのに折った枝や砕いた小片を使ったことから「割り当て」の意味が生まれたとされ、そこから「神に割り当てられた身分」=聖職者になった。clergy・clergyman・cleric がその線。中世ヨーロッパで読み書きできるのはほぼ聖職者だったため、clerk は「記録する人→書記・事務員」へ移り、アメリカ英語では salesclerk(店員)まで意味が下りている。hilt(刀剣の柄)はゲルマン語側の同根とされる。