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イタリック祖語

*wīnom

ぶどう酒

wine

英語での現れ方

ラテン語 vīnum(ぶどう酒)から出た語で、英語には二つの経路で入っている。ゲルマン語が早い時期に借用した形が本来語のように定着したのが wine で、winery(ワイナリー)、winemaker・winemaking(ワイン造り)、winepress(ぶどう搾り機)、wineberry、winey(ワインのような)と、実際の酒造りの語彙を作る。もう一方の vin はフランス語やラテン語を通った後発の系統で、vine(ぶどうの木・つる)、vineyard(ぶどう畑)、grapevine(ぶどうのつる、転じて噂の伝わる筋)、vintage(ぶどうの収穫年→年代物)、vinous(ワインの)、vinification(醸造)、くだけた vino が並ぶ。

面白いのは vinegar で、これは「酸っぱいワイン」を意味した古フランス語の言い方から来ており、酸味を効かせた vinaigrette(ドレッシング)や vinegary(酢のような・とげとげしい)へつながる。vinyl は化学の術語で、エチルアルコールとの関係からワインの語を借りて作られたとされ、意味の上ではもう酒とは無縁になっている。コツは、綴りの頭が w か v かで系統を見分けることで、w 側は生活語、v 側は農業・化学・専門の語彙に偏る。vintage のように、もともと「収穫」だった語が「上等な古いもの」を指すようになった意味の移り変わりにも注意したい。