EnglishBattle

印欧祖語

*h₂eydʰ-

火をつける・火

to kindle; fire

英語での現れ方

ギリシャ語 αἴθω(燃える)から出た αἰθήρ は「天空の輝く上層の空気」を指し、これが ether / aether になった。形容詞 ethereal は「この世のものと思えない・霊妙な」で、今も詩的な語として生きている。十九世紀に麻酔薬・溶剤の名として ether が使われたことから、化学の命名がここに接ぎ木され、ethyl(エチル基)・ethylene・polyethylene や ethane・ethanol といった炭化水素の名前がまとめて生まれた。polythene・halothane・tetrafluoroethylene のような長い薬品名も、この ethyl / ethane を含んでいるだけで、意味は「火」とは無関係になっている。

ラテン語側では aedēs が「炉のある建物→家・神殿」を表し、そこから aedificō(建物を建てる)が作られた。これが edif で、edifice(大建築)と edify(建てる→精神を高める・教化する)に分かれる。edifying / unedifying は「ためになる/ためにならない」の意味で、道徳的な含みを持つのが特徴。もう一つ、aestus(燃える・煮え立つ・潮の高まり)からは aestuārium を経て estu の形になり、estuary(潮が出入りする河口)・estuarine がここに属する。火・熱という中心の意味が、天空・化学・建築・潮という遠い分野に散らばっているので、綴りごとに分けて覚えるのがよい。

この語源をもつ英単語