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印欧祖語

*(s)mel-

悪い・誤った

bad, wrong

英語での現れ方

mal- は現代英語でも生きている接頭辞で、名詞・動詞・形容詞の前に置いて「悪い・不完全な・誤った」を足す。後ろの語を知っていればそのまま意味が読めるのが強みで、malfunction(誤作動)・malnutrition(栄養不良)・malpractice(医療過誤・不正行為)・malformation(奇形)・maladjustment(不適応)・malabsorption(吸収不良)・malocclusion(不正咬合)・malware(悪意のあるソフト)がその型。maladroit は「腕がよくない→不器用な」、malodorous は「においが悪い」、malcontent は「満足していない者→不平分子」。malaise はフランス語の「具合の悪さ」で、体調にも社会情勢にも使う。

ラテン語の副詞 male(悪く)から来た male- の形は硬く、後ろにラテン語の動詞が続く。malevolent は「悪く望む→悪意のある」、malediction は「悪く言うこと→呪い」、malefactor は「悪事をなす者」、malefic は「害をなす」。malign は形容詞で「悪意のある・悪性の」、動詞で「中傷する」、名詞形は malignancy(悪性腫瘍)・malignity。日常でいちばん使うのは malice(悪意)と malicious(悪意のある)で、法律用語としても頻出する。malaria はイタリア語 mal aria(悪い空気)から来た語で、湿地の空気が原因と考えられていた時代の名残。