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ラテン語

-scō

『〜し始める』という意味の起動動詞を作る

英語での現れ方

ラテン語の -scō は「〜し始める・だんだん〜になる」を表す語尾で、英語では esce / escence の形で残っている。convalescence(力を取り戻していく過程→回復期)、senescence(老いていくこと)、coalescence(一つになっていくこと)、effervescence(沸き立ってくること)、incandescence(白熱していくこと)のように、完了ではなく「その状態へ向かっている途中」を指すのが特徴。形容詞形は escent(senescent・effervescent・acquiescent)になる。

この語尾は、元の動詞が見えなくなるほど短くなることもある。quiēscō(静まっていく)からは qui の系列が生まれ、quiet(静かな)、quit(手を引く)、quite(すっかり)、requite、acquiesce(黙って受け入れる)が並ぶ。obsolēscō(すり減っていく)からの obsolete・obsolescence、adolēscō(育っていく)からの adult も、この「途中」を表す語尾を含んでいた。

意外な広がりとして、acēscō(酸っぱくなる)から出たラテン語 acētum(酢)が化学用語の acetate・acetone・acetyl を生み、そこから ketone のような物質名の型が広がったとされる。この語尾を見たら「まだ途中である」と読むのが一貫した使い方。