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印欧祖語

*méh₂r̥

英語での現れ方

この語根が英語に届いた道はほぼ一本で、ラテン語 manus(手)を経由した借用語として入っている。解剖用語の manus はその形をそのまま残した例。日常語では「手に委ねる」意味の動詞から mand / mend の形が広がり、demand(強く求める)、mandate(委任)、mandatory(義務的な)、commend・recommend(手に託す→推薦する)、そして commando・mandamus のような専門語まで作った。

手の働きから生まれた語も多い。manu の形で manuscript(手書きの原稿)、amanuensis(筆記係)、manure(手で耕すこと→肥料)が残り、maintain は「手で持ち続ける→維持する」。emancipate は「手を離す→解放する」で、名詞 emancipation・行為者 emancipator と揃う。抽象化が進んだのが manner で、「手の動かし方」から「やり方・作法」になり、mannerly・unmannered・mannerism を生んだ。manicure(手の手入れ)のように、いまも「手」の意味がそのまま見える語も残っている。