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印欧祖語

*dédeh₃ti

英語での現れ方

ラテン語 dō の過去分詞 datus(与えられた)が dat として英語に入り、data(与えられた事実→資料)・datum・database・metadata、文法用語の dative(与格)になった。手紙の末尾に「〜において与えられた」と書く書式から日付の date が生まれ、そこから update・predate・antedate・backdate・postdate・outdated・dateline・undated と、日付をめぐる語群がまとめて派生している。日常語なのに語源が「与える」なのは意外に見えるが、書式の名残と考えると納得がいく。

trā-dō(越えて渡す)からは、良い方向に転んだ tradition(受け渡されたもの→伝統)と、悪い方向に転んだ traitor・betray・betrayal・treason(敵に引き渡す→裏切り)が同時に出ている。同じ「渡す」がこう分かれるのはこの語根の面白いところ。re-ddō(返す)はフランス語を通って render(差し出す・表現する)・surrender(すっかり引き渡す→降伏)・rent(貸し賃)・rental・renter になった。ギリシャ語側の δίδωμι は anecdote(外に出されていない話)・antidote(対抗して与えるもの→解毒剤)に残り、edition もラテン語の「外へ出す」から来ている。