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印欧祖語

*dʰewh₂-

煙・靄

smoke, mist

英語での現れ方

この語根のイメージは「立ちのぼる細かいもの」。舞い上がる粉が dust で、sawdust・stardust・dustpan・dusty・duster が並ぶ。日が沈んで空気がかすむ時間が dusk・dusky、地表に降りる細かい水滴が dew で、dewdrop・honeydew・mildew・sundew に残る。down は砂丘や丘を指した語(dune も同じ枝)から「丘を下って」→「下へ」に転じたとされ、downtown・sundown・countdown・meltdown・showdown の down はすべてこの流れ。

外来語の枝では、ラテン語 fūmus(煙)から fume・fumes・fumigate(煙でいぶす→燻蒸する)・fumigation が入った。ギリシャ語側は「立ちのぼる気・熱気」の意味で、香りの立つ草 thyme、胸腺 thymus、気の沈む dysthymia、高熱でもうろうとする typhus・typhoid・paratyphoid につながる。obfuscate(わかりにくくする)も「煙で曇らせる」側から来たとされる。d で始まる短い日常語がこれほど一つの根に集まるのは珍しく、dust・dusk・dew・down は並べて覚えると印象に残る。