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イタリック祖語

*trāns-

越えて・向こう側へ

across, beyond

「越えて」の意味の複合語を作る

英語での現れ方

イタリック祖語の *trāns-(越えて)がラテン語の接頭辞 trāns- となり、綴りをほぼ変えずに英語へ入った trans がこの家族の中心。transfer(越えて運ぶ→移す)、transport(越えて運ぶ→輸送する)、transmit(越えて送る→伝える)、transform(形を越えさせる→変える)、transparent(向こうが見通せる→透明な)。transatlantic・transnational・transcultural のように、現代英語でも新しい語を作り続けている接頭辞である。

後ろが d・i・j で始まる語では s が落ちて tra になる。trajectory(越えて投げられた道筋→軌道)、traducer、そして trance(trānsīre=渡って行く、から意識が向こうへ行った状態)。この trānsīre の派生からは transit の一群が出て、transit(通過・輸送)、transitory(過ぎ去っていく)、transitive(他へ渡る→他動詞の)、intransitive が並ぶ。

trānsferō の完了分詞 trānslātus からは translat(translate=越えて運ぶ→翻訳する、translator)が生まれ、fer と lat が同じ動詞の二つの顔だという対応がここでも見える。transcend(越えて登る→超越する)、transcri(transcript=越えて書き写したもの)も同じ組み立て。trans- は後ろの語が原形のまま残りやすいので、「何を越えさせるのか」を後半から読むのがコツ。